赤城山 南麓 宮城地区 ●よもやま話「二月の年中行事」

 

2007年02月04日

●よもやま話「二月の年中行事」

 2月1日は言わずと知れた「次郎の一日(ついたち)」と呼ばれていた日である。今、果たしてどれだけの人が、こう呼んでいるだろうか??
 次郎の一日だから仕事を休む?? 多分皆無だと思う。節気ごとの年中行事が忘れられて行くのは仕方ない事かも知れない。何故ならば、生活習慣、農村社会の構造が激変したのに他ならないと思う。純粋の農業生産で生活している人がどれだけいるのだろう。片手間に田畑を耕している割合の方が多いいのでは無いのでしょうか。
 昔は、次郎の一日は「黄金(こがね)で祝うと言って、粟強飯を炊いて、神様に供えて、お祝いをしていましたが、既にアワさえ手に入らなくなってしまったのでは無いでしょうか。

 2月2日は、奉公人や子守を雇っていた家は、それ等の人達に一週間程度の休みをやった日であった。

 2月3日は、節分、言わずと知れた「福は内・福は内・鬼は外!!」である。神棚から始まり、家の中が終わると、稲荷様や藏の前・外便所・井戸・などで、「鬼は外!!」と、年男が、でけ〜声を張り上げて、鬼を追っ払った。
 その節分の豆を煎る時、イワシの頭をザンマタのある木(ナラの小枝や桑の枝等々)に挿し、囲炉裏の火の側に立てて、豆を煎るんです。その時に、それをあぶりながら、呪文を唱える様に、そのザンマタの木に唾(つば)をペッ・ペッっとはきかけながら「虫の口を焼き申す、四十八種の虫の口…アオムシ・テントウムシ・アブラムシ・シャッキリムシ・等々」知り得る虫の名前を挙げながら呪文の様に…。そして、火にくべるのは、ナス・菊・豆の枝で、何故かと言いますと、ナスは「借金をナス」、菊は「良い事をキク」、豆は「マメに働く」とね!!
 この一連の作業を「ヤカガシ」と言っていました。
 初牛の日は、マユ玉を作り、神棚に上げた。この時は、木にはささないで、一升瓶に詰めたりして上げた。勿論、蚕がとれる様にと念じながら、蚕神様にね!!

 2月8日は、コト八日(コトハジメ)と言い、メカイ(荒目の笊??ザルと読む)の中にヒイラギの枝を挿して庭先に飾った。ヒイラギの木やエンジュの木は、魔除けの木として屋敷に植えられていた。「カドにヒイラギ・セドにエンジュ…門に柊・背戸に…とね」ヒイラギは泥棒除け?? エンジュは魔除け?? かもね!!

 エンジュって知っています?? 槐と書く、当て字は延寿と…寿命を延ばすめでたい木と(薬用効果あり)、マメ科の落葉高木で、偽アカシアに似ています。